アジアンバンクの口座開設とデビットカード発行
アジアンバンクは、2018年に設立されたアメリカの首都ワシントンD.C.でのライセンスを取得している海外の信託銀行です。アジアンバンクは海外銀行の中でもタックスヘイブンにある居住者以外の預金・運用を目的としたオフシェア信託銀行と呼ばれる銀行で、アジア在住の個人をターゲットとしているのが特徴です。一般の銀行のように融資を行っていないことから、融資の回収ができなくなったことによって経営が困難になるリスクがないというのがセールスポイントになっています。投資にはリスクがつきもので、銀行や証券会社やFX会社の破綻はリスクのひとつであり、そのため投資においては複数の信託銀行を利用してリスク分散をするのが一般的です。アジアンバンクでは破綻のリスクが小さいため安心して資金管理を行うことができる銀行のひとつとして注目されています。
海外銀行中でもタックスヘイブンにあるオフシェア銀行は、大企業や富裕層が利用するものといったイメージがありますが、社会のグローバル化によって、一般の利用者が増加しているといいます。しかし海外銀行の口座開設は、マネーロンダリングの問題から、メールや郵送による書類のだけでなく現地を訪れて手続きをしなくてはならないケースが多くなっています。その場合、問題になるのはコミュニケーションです。日本の銀行でも、口座開設では複雑な手続きが必要です。銀行の窓口での相談も日本の銀行であれば日本語でコミュニケーションが取れるため、間違いなく手続きをすることができるでしょう。しかし海外銀行に訪問して口座開設の手続きを行うには、ネイティブで英語を話すことができる人以外は難しいといえます。その点、アジアンバンクはオンライン上で口座開設ができる上、サポートも日本語に対応していることから、ほかの海外銀行よりも口座開設がしやすいといえます。
アジアンバンクでは、Web上で口座を開設することが可能であり、日本語に対応した口座サポートデスクが用意されています。口座開設は、まずアジアンバンクのホームページ上の問い合わせフォームから口座開設の申込を行います。アジアンバンクの口座開設ではオンライン上での本人確認システムeKYC(electric Know Your Customer)が採用されており、口座を開設するにはeKYCの本人確認審査を通過する必要があります。eKYCは銀行口座の開設やクレジットカードの発行で利用されているシステムで、本人確認のため身分証明書等が必要になります。スムーズに手続きが完了することができるように、あらかじめ手続き方法を確認し、必要な書類などを揃えておくようにしましょう。
なお、アジアンバンクでは、口座開設と同時にVISA RCARDデビットカードを発行することができます。デビットカードはカードでの支払いと同時に口座から引き落としがされるため、資金の管理にも便利なカードです。VISA RCARDデビットカードは世界中のATMで出金が可能であり、VISA CARDと提携している店舗では支払いにも利用することができます。国際ブランドの中でもシェアの高いVISAのデビットカードのため、海外旅行や海外出張、留学予定のある人にとっては便利です。
資産管理サービス信託銀行株式会社のサービス概要について
託銀行株式会社は、東京都中央区晴海に本社を置くみずほフィナンシャルグループ子会社の信託銀行でしたが、日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社との合併によって2020年に商号を変更したことから、現在は存在しない信託銀行となっています。
資産管理サービス信託銀行株式会社は2001年1月にみずほ信託銀行、朝日生命保険、第一生命保険、富国生命保険、現:明治安田生命保険(旧:安田生命保険)の5つの会社の出資によって設立され、同年1月30日に営業を開始し、その業務内容は、複数の資産運用会社にある年金資産を一元的に管理・運用するマスタートラスト業務、有価証券資産の管理、確定拠出年金の資産管理業務などで資産管理に特化しています。2016年10月に第一生命保険が株式を譲渡したことによってかんぽ生命保険が資本参加し、2018年10月に同じく資産管理業務に特化した信託銀行の日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社と持株会社方式で統合し、JTCホールディングスの子会社となっています。持株会社のJTCホールディングス、傘下の日本トラスティ・サービス信託銀行と資産管理サービス信託銀は2021年に合併の予定でしたが、予定が早まり、2020年に合併し、株式会社日本カストディ銀行となり、現在に至っています。
日本カストディ銀行は、みずほフィナンシャルグループ系列の銀行である資産管理サービス信託銀行と、りそな銀行、三井住友トラスト・ホールディングス系列の日本トラスティ・サービス信託銀行という系列の異なる銀行が経営統合したことによって発足した資産管理専門銀行で、その預かり資産残高は約700兆円になります。これは日本最大、世界でも8位という巨額な資産であり、それを管理する日本カストディ銀行に対して日本の金庫番という評判は妥当ともいえるでしょう。なお、日本カストディ銀行となった日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社と資産管理サービス信託銀行株式会社は、名前が長いことから紙面などで見つけやすく、四季報で見付けたら注目すべき注意点といわれていましたが、日本カストディ銀行となったためにそれはなくなっています。
国内の投資家が海外の有価証券を購入する場合は、誘拐証券の管理・保管だけでなく、元利金や配当金の代理受領、運用成績の管理、議決権行使といった広範囲にわたって管理を委託することが一般的で、そのような業務を行う金融機関のことをカストディアンといいます。日本でカストディアンといわれる銀行は、日本マスタートラスト信託銀行、資産管理サービス信託銀行、日本トラスティ・サービス信託銀行の3行でしたが、日本マスタートラスト信託銀行、資産管理サービス信託銀行の合併によって現在は2行となっています。なお、日本カストディ銀行と日本マスタートラスト信託銀行は同業銀行というだけでなく、どちらも日本の金庫番といった評価・評判から、災害時にどちらか一方の銀行で内国為替業務の継続が難しくなった場合は、もう一方の銀行で内国為替送金業務を代行する相互補完運用の協力を約束しており、金融業界での災害の備えを実施しています。